| どんなものが必要？ |
■道具について魚を飼うために必要なもの、あった方がいいものについて簡単に考えてみましょう。 大麻 仁の考え方は以下の通りです。 魚を飼うために必要な物（１） ・魚 まず、魚なのであります。飼いたい魚を決めて、用具を揃える。基本です。 後で説明しますが、用具として魚を必要とする場合があります。 なお、ここで成魚サイズが１５cmを越える魚にいきなり心奪われてしまった 方は、ちょっとした覚悟が必要です。 魚を手に入れる為には、大きく「もらう」「採ってくる」「買ってくる」の ３通りがあります。 「もらう」 もらわれる魚が出るような理由は色々あります。主なものとしては Ａ．布教したくなった Ｂ．繁殖した Ｃ．他の魚に浮気した Ｄ．その魚自体が手に余るようになった などがあります。 初めて飼う場合、Ｄ．以外のタイプであれば、もらってもいいんじゃ ないかと思います。困ったことがあれば、もらい主に何くれと相談を持ちかければ いいからです。 自分が飼って見たい魚とは違うかも知れません。状態や年齢も、ちょっとハズレかも 知れません。…でもまぁ、飼えば情も沸くものです。 ただし、持て余してるものをもらってやるなどというふざけた軽い気持ちで、 その魚に関する知識を得ようともせず、ただもらうだけならお互いに不幸です。 魚や水草をもらったときは、自腹で買うときよりももっともっと大事に飼いましょう。 「うちの魚、その後どうしてる？」って聞かれたときにきちんと答えられる程度にね。 「採ってくる」 川や沼へ行って適当に採ってくる。熱帯魚ではないですか？ 気にする必要はありません。これはこれで楽しいものです。利点としては ・金がかからない ・どういう環境がその魚にとってベストか解る ・手に余ったら元いた場所に返せばいい …というのがあります。 関東以西には野生化したグッピーがいるそうですし、タナゴやクチボソも 飼ってみると案外面白い物です。 ＃ところがこれが普及種の熱帯魚よりよっぽど難しいんだ 「買ってくる」 一般的な入手方法です。いくつか店を見て回り、気に入った店で欲しい魚の 一番調子良さそうな奴を買う。それだけのことです。 ただし、いきなり買ってはいけません。お迎えするにもそれなりの準備が 必要だったりします。 また、やはり比較的簡単に飼える魚と、気を遣わなければならない魚がいます ので、そこら辺はとりあえず飼いに適した魚のコーナーでざっくりと コメントします。 魚を飼うために必要な物（２） 水槽 （１０００円〜） 水槽は魚達の生活空間です。彼らはこの中以外では生きられません。 したがって、それなりの広さを用意してやる必要があります。大きければ 大きいほど魚にとっては良いのですが、大きいほど値も張りますし、一回の 世話にかかる労力も増えます。 あと無視できないのが水槽の取る空間とそれ自体の重量です。 一般的には６０cm水槽を勧めますが、私としてはこれでも大きいと思います。 ６０cm水槽でも２４型のＴＶを越える横幅と、６０kg超の重量があります。 「どうせやるなら本格的に」と言う方には６０cmがいいです。現在もっとも 一般的なサイズであり、このサイズを想定した用品は種類も多く、比較的安く 入手できます。 ですが「とりあえず」をコンセプトとしたこのコーナーでは、４０cmまたは ４５cmをお勧めします。 これより小さいと、飼える魚の種類と数がかなり限られてきます。４０cmで あればカラーボックスにもなんとか載りますし、１回の水換えがバケツ １杯で済みますので、気になったらいじるという飼い方ができます。 最初のうちは小さい水槽の方があちこち目が届くのでやりがいがあります。 また、メンテナンスのために手を入れる時もヒジまで水に入れなくていいのは ポイント高いです。 （本格的に はまれば 気にならなくなりますが） 材質としてはガラス、アクリル、プラスチックがありますが、ここでは ガラスをお勧めします。ガラスの方が表面に傷が付きにくく、割れるような 扱いをしない限り長持ちするからです。 「ど」安物よりちょっと良い奴を選びましょう。ガラスの合わせ目のシリコンや、 枠の歪みは購入時によく見た方がいいでしょう。 ＃歪みはさすがに最近はほとんどありませんが １００円のポリのタッパーや５００円くらいのプラケースも稚魚の隔離程度には いいですが、ちょっと格好悪すぎ。 １０００円くらいで売っているプラケ「めだか館」は、サブ水槽としては大きさが手頃で 使い良いです。オールインワンとかは値段の関係でここではお勧めしません。 すっきりまとまって便利だとは思います。 ちなみに、１つの水槽にどれくらいの数の魚を入れられるかと言う話ですが、 一般的には「１リットル１cm」、つまり３０リットルの水槽だったら、３cmの 魚を１０匹、１５cmなら１ペアくらいは入れて良い…という話がありますが、その 根拠は知りません。 濾過能力の問題もありますし、生かすだけなら「最大許容量：はいるだけ」という 考え方もあるでしょう。…支持はしませんが。 ４０cmであれば、一般的な砂と水草で水質を浄化した場合、上層（ぐっぴ等）５、 中層（テトラ等）５、底層（コリ等）５、壁面（エビ・オトシン）５…で２０匹 くらいが妥当な限界線ではないかと思います。 この辺に関してはそのうち「混泳」の項でコメントします。 どれくらいの「大きさ」に関しては、水槽の奥行きの１／２を越えるサイズの魚は 入れない方がいいかと思います。これでも限界オーバーだと思いますが。 これより窮屈だと明らかにうまく成長できませんし、旋回も不自由、暴れると 壁面に衝突して怪我をします。 広さは水槽の幅より奥行きが決め手です。 同じサイズでも、じっとしているタイプの魚に比べて、泳ぎ回る魚は広い遊泳 スペースが必要です。あと、体の固い魚は広い水槽が必要ですね。 小さい水槽しか用意できないならば、あえて小さい魚に凝るのも手です。 フィルター （５００円〜） フィルターが何故必要かと言うことに関しては「水の浄化について」の項で 解説します。 形状から言うと、最も一般的な上部フィルターの他に、安い投げ込み式の フィルターやコーナーに貼り付ける物、スポンジに緑のパイプが付いた物、底砂の 下に敷いて砂を利用する物、外にタンク状の容器を置く物など多様です。水質を 浄化する…という部分なら、水草と底砂とを十分に入れ、ポンプでぶくぶくする だけで効果てきめんなので、とりあえず飼いのうちはあまり気にすることはない でしょう。 個人的には「水作コーナー」という、水槽の角に貼り付ける簡易フィルターを お勧めしております。一般の投げ込みフィルターより能力は高く、角に貼るため 魚の遊泳スペースを圧迫しません。水流を作ることもできます。 ただし、フィルターの底をぴったり底砂に付けないと、潜るタイプの魚が隙間に 入り込んで死ぬことがあります。小魚やエビを飼っている方は隙間対策をきちんと やった方がいいです。 もしくは、わざと片方を壁面に付けず、１cmくらいの透き間を空ければ事故の可能性は 激減します。 投げ込みフィルターは安いんですが安いなりの効果しかありません。但し、中に 重石代わりに入っている大磯を棄てて、市販の濾剤を詰めることで充分な能力を 得ることが可能です。意外なネックが空気の流れが滞ると結構浮くこと。 スポンジフィルターというのは、熱帯魚ショップでよく使っている、円筒形の スポンジに緑色のパイプが付いたアレです。ショップで使うと言うことは、それ なりの効果があると言うことで、濾過効果は高いというもっぱらの評判です。 水中にフィルター本体が突き出すため、魚のスペースを圧迫する＆美観を損ねる （隠れ家になると言う考えもあります）のと、結構ぼこぼこという空気音が うるさいのがデメリット。 個人的には「タダのスポンジと塩ビのパイプで何で１０００円もするんじゃあ」 という疑問が残る一品です。 でも使ってる（爆）。閉店セールで３００円だったんだもの。 上部フィルターは、中級の水槽セットに付いてくる、水槽の上に載せてモーターで 水を上げるタイプのものです。エアリフト式に比べ高価いのですが、濾過能力は それに見合ってかなり高いです。落水の際に空気を巻き込むため、魚が酸欠になり にくく、モーターで水を吸うためゴミを濾すのに効果絶大です。水流が必要な魚にも 効果があります。 ただしどうしても水槽の奥に光が当たりにくく、水槽が暗い感じになるようです。 横がけ式のフィルターは、上部フィルターと同じ仕組みで水槽の縁に引っかけて 使うものです。水槽上部が空く反面、濾過槽が小さく落水音が大きくて使いにくい です（テトラのは静か）。吸着濾材が標準で、何か物を考えてない感じが困ったちゃん。 古典的な底面フィルターは、砂を濾過に使用する巧みなシステムですが、当然 フィルター内部に溜まるゴミを半年に１回くらいひっくり返して大掃除する必要が あるため、導入には勇気が要ります。また、砂を均一に敷かないと、薄いところから だけ水が吸われて、厚いところは水が澱むので逆効果です。 濾過能力自体は選択した底砂の種類に依りますが総じて強力です。逆に言うと 砂を選ぶと言うことも言えます。一般的には大磯砂を使うようです。 外部フィルターは水槽の外側にフィルター自体を置いて、水槽には出入りの パイプしか配置しません。水槽がすっきりして良いです。さすが高価なだけありますね。 濾過能力は高いです。値段も高いです。凝っていくと最終的にはここに行き着くでしょう。 大型水槽や水草水槽の方は特にここに行き着く可能性が高いです。 濾材 （フィルター付属０円〜） 濾材とは、フィルターに入れて濾過の主役を担うものです。 物理濾過（ゴミを濃し取る）の濾材としてはウールマットが一般的です。 生物濾過（水を浄化するバクテリアの活動を助ける）の濾材は、濾過バクテリアが住み着く ための土台ですから、表面積の広いものになります。スポンジやリング状のセラミック、 安価なものでは大磯砂等が用いられます。サンゴ砂は海水魚やアフリカンシクリッドなどに 用いる特殊な性質を持っています。 化学濾過（有害物質を吸着する）の濾材は活性炭を詰めたマットが主流です。 正直、私あんまり知識がないのでここでは詳しく触れません。 上部濾過とか底面濾過で隙間があったらシポラックスとかパワーハウス淡水って奴を 放り込んでおけばいいんでないの？と、その程度の知識です。 濾材は入れる前によく洗って、毎日水を換えながら数日水道水に浸けた奴を使った方が 水質急変しなくていいと思います。 エアポンプ・エアストーン （ポンプ１０００円〜） エアポンプは静かな物で、いくらかパワーに余裕のある物を選びましょう。 パワーがある分には分岐コックを付けて少し逃がせばいいだけです。 安物のフィルターはエアポンプで駆動する物がほとんどですし、水中にエアを吹き込む だけで、魚の状態及び水質はかなり安定します。 また、この細かな泡が見ていて気持ちがいいのであります。 いぶきエアストーンは優れもの。いいです、これ。ほんと。 エアチューブは常に多めに持っていると良いでしょう。小さな水槽の底からゴミを 取り除いたりするときに使用します。 あと、エアを分岐するための二股・三股コックも必要に応じて。 砂 （５kg６００円〜） 意外に重要です。特に底の方で暮らす魚にとって、体調や寿命に直結します。 また、水質を決定づける重要な要素でもあります。 白い石英系の砂は水槽を明るく見せますし、水草の生長に効果のあるタイプの 砂もあります。人工的に色を付けた物や、特定種類の魚に向いた砂もあります。 …なのですが、とりあえず飼いなので、一般的な大磯砂をお勧めします。 色が黒っぽいので魚の色も少し暗めになる傾向があります。角のない、比較的 目の細かいものを選んで、良く洗って３〜５cmくらい敷きます。 この砂にうまくバクテリアが付くと、水質が一気に安定します。 あんまり高いものではないので、ちょっと良さそうなのを使いましょう。 なお、海水用の砂は淡水では使えませんのでご注意。 塩が混ざっているだけでなく、貝殻などが混じっていると成分が溶け出して水質を かなりアルカリ性の硬水に変化させてしまいます。 砂の一般的な種類と効能に関しては、後の「砂」のコーナーで自分の解る範囲で 解説します。 水草 （安物で２００円〜） 水草は酸素の供給、水質浄化、魚の餌…とメリット大きいです。安いマツモや ハイグロフィラ、アマゾンソードなどでいいので、ぜひ入れられる事をお勧め します。光さえそれなりにあればガンガン増えますので、少し少な目に購入する のがコツ。うまく育つと水槽はすごく綺麗に見えますし、殺風景な魚だけの水槽 より、見ていて落ちつきます。 お勧めについてはとりあえず飼いに適した水草のコーナーで紹介してます。 水草の方がメインという水槽の作り方もあって、これはまた面白いのですが 私自身はその方面の知識がないのでここでは割愛。 照明 （中古で１５００円とか） 照明は魚より水草にとって必要です。専用の蛍光灯がありますが、スタンド 式の普通に机の上に置くようなものが結構便利です。水槽にすっぽりかぶせる タイプの物が主流ですが、餌やりやメンテナンスが面倒で、夏場水温が上がり やすいという欠点があります。 白熱灯のスポットライトは、隔離タッパーの水温を一時的に上げる際などに 活用できます。 照明自体は水草を入れる場合必須ですし、水草を入れなくても、魚達にとって 「昼と夜」は必要だと自分は思っているので、チープな物で結構ですから是非用意して あげて欲しいです。 球の種類は「昼光色」と呼ばれるタイプ（ＰＧ３と同じもの）がお勧めです。 特殊な場合を除き、太陽光で代用しようとは思わない方がいいです。 太陽光は苔の発生を助長しますし、夏の直射日光下の水槽はお湯になります。 ヒーター （サーモ２０００円、ヒーター１０００円〜） 安物で構いませんが、２６度固定になるヒーターよりは、ヒーターとサーモ スタットを別々に買いましょう。 ベタなどは２８度くらいの方が調子良いし、コリドラスや渓流ドジョウ達は ２４度より低い位の方が調子がいいようです。 ヒーターだけでは無限に温度が上がるだけで、煮殺してしまいます。 サーモは安価なICのものが普及していますのでこれを使いましょう。 小さなセンサーを水中に沈め、キスゴムで固定します。 これが外れてセンサーが空中に出ていると、ヒーターは点きっぱなしになります。 それ以外でも故障することはありますから、水槽を見る時には一緒に水温計を 見るようにしましょう。 「魚は人間のように熱さを感じない」という説があり、ヒーターを隠れ家に した魚がやけどすることがあるらしいですので、私は砂の中にヒーターを 埋めて使用しています。 ただし、これはヒーターの使用法としては誤りというかヒーターの取説には 「するな」と書かれていることです。ヒーターからの熱は水の対流によって 水槽内に伝わっていきますが、その効率を低くすると共に、古いタイプの高温型 ヒーターをアクリル水槽で使用している場合、最悪水槽を溶かしてしまいます。 また、砂の温度を局地的に上げることは、その周辺のバクテリアや水草の成長に 悪影響を与えると思われます。 それをおして自分が埋めている理由は、自分のヒーターが５０度程度までしか 発熱しない低温型なのと、底砂が厚くて事故の危険が少ないこと、底物が多くて ヒーターに隠れてはやけど…パターンを何度か体験したためです。 埋めない場合はヒーターカバーをするか、ヒーターを縦にして使用しましょう。 ＃縦にする場合は、水流のある所にヒーターを設置すること。高温型のヒーターを 角にぴったり付けて使用するとシール材を傷めることがあります。 また、エンゼルなど垂直のものに卵を産む魚を飼うときは、ヒーターを縦に置くと 不幸なことが起きます。 水槽台 このコーナーでは小型の水槽を前提にしますので、４０cmで２０kg、６０cm で７０kgの荷重に耐える台を用意しましょう…と書くにとどめます。 関連事項として「水槽セットのやり方」の項を参照してみてください。 水槽のふた 飛び出す種類の魚やエビを飼っているときには必須です。 あると便利な物 水換え用品 バケツ、風呂で使うような手おけ、ポンプ付きホース、タオルなど。 かなり必須です。洗剤などを入れないよう、「魚専用」とはっきり分けること。 苔を取るための器具もおいおい要るでしょう。私はスニーカー掃除用の ブラシ（歯ブラシのでっかい奴）を愛用しています。 ガラス壁面に付く緑のスポット状の硬い苔は、要らなくなったプラスチックの カード（使用済みテレカとか）で げしげし こすると簡単に落ちます。 スポイト・ピンセット 水槽の中をこちゃこちゃいじったり、糞を取る、水草を植える、液体の餌を あげるなどに威力を発揮します。 水温計 水温計はかなり必須に近い物です。水中にキスゴムで張り付けるタイプと、 水槽の外側に張るシール状のものが安くお勧め。 あ、付けただけでは意味無いです。飼育者が見てなんぼのものです。 薬品 塩とメチレンブルーはあって損は無いでしょう。その他の水質調整剤や 各種薬剤はあんまり要りません。何故かと言うと、魚の病気は白点病など 簡単なモノ以外は「とりあえず飼い」レベルでは治せないからです。 メチレンブルーは卵のカビ予防に良いです。 カルキ抜きは自分ちの水道が不味い！と思う人は持ってた方がいいです。 あとテトラバイタル（魚用ビタミン剤）は効くとのもっぱらの評判ですが…。 その他のpH計測などの薬剤はかなり高価ですのでお好みで。 ネット 魚を掬う時のネット。なるべく小さいのを一つ、飼う魚のサイズに合わせた ものを１つ、計２つは持っていましょう。機敏な魚の挟み撃ちに便利です。 小鉢 冷凍の生き餌を溶かしたり、糞を取ったり、いろいろと使えます。 タッパー各種 稚魚や病魚の隔離、輸送用などでかなり重宝します。半透明の１００円くらい のものを２，３個。 その他 水草を本格的にやる場合、ＣＯ2の添加が不可欠になります。 あとは水草用の肥料・栄養剤各種などなど。 これらの用品はここのコーナーの主旨に合わないので(^_^;)割愛。 あと、レイアウト用に流木、石などがあると面白いです。 これらは魚の隠れ家としても有用です。 特に流木は水質を弱酸性に傾けたり、植物食性の魚の食料になったり、水草を くっつけたりと、色々な使い道がありますし、見た目も格好良くなりますので、 買って損はないでしょう。 私自身は１００円くらいで買える安物の陶器のゴブレットや小皿を沈めて 隠れ家を作ってやっています。ただの素焼きの植木鉢とか人工っぽさ全開の プラスチックのモアイとかに比べ、安くて綺麗です。ぜひお試しあれ。 水槽を冷やすためのファンは内地では必須に近いものだと思いますが、2000年の 猛暑でエアコンつけちゃったので…。 下がった水温はヒーターで上げれば良いですが、上がりすぎた水温を手軽に下げる 方法は少なく、皆さん頭を絞っておられるようです。 参考になる書籍 月刊ペースの雑誌、厚めの図鑑、各種単行本等がありますが、単行本は情報が古い ものが多く、コストパフォーマンスあんまり良くないです。 特殊な種類の特集とか、そういうのに関して買うべきでしょう。 雑誌は、一度やった特集はしばらく（数年）やらないことが多いので、総括的な 情報を得たいのであれば、どれか一誌を継続して買った方がいいです。 別に最新号を毎号買う必要はなく、立ち読み＋古本屋で気に入った記事の載っている号を 買うだけで良いかと思います(^_^;)。 初心者には「世界の熱帯魚カタログ」（成美堂出版）、もうちょっとはまった 方には「熱帯魚・水草１４００種図鑑」（ピーシーズ）がお勧め。前者は 簡単な水質・餌関係のコメントが載っており、入門種をおおむね載せている 事、年単位で改版される…ってのがいい感じです。 「２３００種」（フェアウインド）は掲載種類が多いだけで使い勝手良くないです。 あと、niftyにアクセスできる方なら、faquagのライブラリには生きた知識が ぎっしりあります。中でも可良時寿子さん執筆による「熱帯魚への誘い」は ５年以上前のものですが、実践的で大変参考になります。必読。 もちろん、インターネット上にもいろいろな方が知識と知恵を惜しげもなく開陳 してくれています。 あえて一つと言うことで「アクアジャンクション」を紹介しておきます。 国内熱帯魚リンクとしては一番ではないでしょうか。 とりあえず飼いに適した底砂 底砂は重要です。底砂はバクテリアの繁殖場所であると同時に、底を生活圏と する魚の生命線でもあります。材質・粒の大きさ／形・色が３つの要素です。 値段、能力を考えると一点読みで大磯砂。 大磯砂 一般的な砂です。今はフィリピンなどからの輸入物が大半だそうです。 粒は丸く色は暗めです。また、貝殻が混じる不良品もあり、こういった砂では 水の硬度を上げ、水質をアルカリ性に傾けます。 使用時には良く洗うことと貝殻を見つけたら取り除くことをお勧めします。 値段は安く、使い込むと水質は安定し、バクテリアがよく付きます。 耐久性も高く、何年も使えば使うほどバクテリアが付いて良い砂になります。 水の通り、水草の根の張りも良く、やはり使い勝手の良い砂と言えるでしょう。 川砂 園芸用で入手できます。粒が細かく、大磯のように水質を硬めに持っていく事も ありません。砂に潜って敵を待ち伏せするナマズや淡水カレイに適した砂です。 一方、目が詰まり過ぎていて、水草の育成には向きませんし濾過バクテリアも あまり住み着きません。 「アクアシステム川砂」は色が白いため魚の色を明るくしますが、角があり底の 魚を傷つけることがあります。また、その主成分は石英であり、バクテリアは あまり付きません。 目が細かく若干軽いパールサンドはこの手の砂としては使い勝手がいいと 聞いたことがあります。 富士砂 溶岩を砕いて作った黒っぽい砂。多孔質でバクテリアは付きやすいのですが、 色が黒いため魚の色がくすみやすく、角が鋭利で魚には良くありません。 五色砂 白、赤、黒、青、緑…っぽい石を適当にサイズ合わせたもの。綺麗ですが毒にも 薬にもならないようです。彩りにどうぞ。 焼き赤玉 園芸店で手に入る、明るいレンガ色の素焼きの小さな粒。使ったことはないのですが 粒自体が丸くて水通りが良く魚を傷つけないし、多孔質なのでバクテリアは付着 しやすいであろうことから、水質浄化機能は優れているのではないかと思います。 水通しが良く、水草育成にも効果があるそうです。 この他の砂は全く触ったことがないので割愛。 意外な使い方としてはビー玉。底に敷き詰めて使います。パールダニオなどの 沈む卵を産む魚の卵を、孵化まで食害から護ることができます。 なお、以下の２種は気を付けてください。 ・アクアソイル／アクアプラントサンドは水質を酸性の軟水にします。 水草の育成には大変効果があるそうですが、魚用としては崩れやすくメンテナンスが 大変と聞いています。 ・海水では底砂＆濾材としてポピュラーなサンゴ砂は、色が白くて綺麗ですが 石灰分が多く、水質をアルカリ性の硬水にします。 底砂を敷かないメリット 以上のように底砂は大きなメリットがある重要アイテムなのですが、底砂を敷かない 飼い方も多く見られます。そこで砂を敷かないベアタンクのメリットについて少々。 掃除が楽 もうこれに尽きるものはありません。掃除が下手だと砂の中にゴミをため、水質を悪化 させます。ベアタンクなら底の方をささっとホースで吸えば掃除おしまい。 セットが楽 水槽にフィルターセットして水を入れればおしまい。 もちろんデメリットはあります。 上記の砂のメリットの裏返しになりますが、あとは底がテカるので、魚にとっては 落ち着かないというのがあります。底にシートを敷けば解決する類の問題なので、 飼っている魚が底ものなら敷くし、底砂よりは水が綺麗な方が…というのであれば メンテが楽な飼い方で…という程度。
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