| 水槽セットのやり方 |
■水槽セットのやり方本コーナーでは、魚をお迎えするための水槽セットのやり方について 簡単に考えてみましょう。 大麻 仁の考え方は以下の通りです。 水槽の設置 水槽の設置場所は結構慎重に考える必要があります。一度設置したら そう簡単に動かすことができないからです。 設置場所は ・水平で、でこぼこの無い、水槽の重量に耐える ・観賞しやすい ・直射日光の当たらない ・水場、コンセントが近い ・静かで温度変化が少ない 場所を選びます。 水の満たされた水槽は予想外に重いのです。６０cm水槽で６０〜７０kg、 ９０cm水槽で３００kg近くなります。ガラス製品である水槽は非常に脆弱で、 砂粒がガラスの下に紛れ込んだ程度で簡単に割れます。安いカラーボックスの 類では、板を止めているネジの部分から亀裂が入って大惨事を招きます。 下駄箱の上などに置くと、でかい水槽の場合下駄箱の戸が開かなくなることが あります。砂と水が十分入った６０cm水槽は人間１人分の重さより重いのです。 魚は観るために飼うのですから、観ずらい所に置くのは本末転倒。 また「良く観る」ことは「良く飼う」ことへの一番の近道です。 直射日光の当たるところは水温の変動が激しく、水草は良く育ちますが それ以上に苔が育って大変な事になります。 また、下がった水温を上げるのに比べ、上がった水温を下げるのはかなり 難しいので注意が必要です。 コンセントは必須ですし、水場への距離は日頃の世話の頻度に直結します。 魚は環境の変化を嫌うストレスに弱い生き物ですので、うるさい所は本当は 避けた方がいいでしょう。 あと、水が飛び散りますので濡れても拭けるところ。電化製品の近くは 電化製品に危害が及ぶので避けた方がいいです。 ＃うちではビデオデッキの上に置いてある水槽がありますが(^_^;) 昨今多い地震への対策としては、これはもう祈るよりほかありませんな。 水槽の美観を保つ根気がおありなら（そう大変な事ではありません(^_^;)）、 居間において、明かり系インテリアとして活用する方法があります。 魚に興味のない家人に「いいじゃない？」と思わせることができれば、出張時の ちょっとした世話などが頼みやすくなります。 もっとも、でかい水槽で管理に失敗して「どぶ臭ぁい」などと言われると 目も当てられませんが。 ま、全ての条件に合うところがそうそうあるとも思えません。一番よさげな 所を選んで、あとは世話する人間が補えば良いだけのことであります。 水槽設置の手順 一般的な水槽の設置は以下の方法で行うのがよろしいとされています。 ■1.洗う（０日目） 水槽や砂、機材などなどを洗います。大量の水でざぶざぶ洗うのが無難ですが、 プラスチック製品には作る際に表面にワックスの類が付いている事があるので、 ごく少量の石鹸（洗剤よりはまし）を使った方がいいかも知れません。 もちろんその際にはより多めの水で洗い流す必要があります。 砂は小分けにしてバケツや洗面器で米をとぐように数回洗います。結構ゴミとか 泥とかが混じっているものです。水槽の中で洗うと当然水槽が割れてしまいます。 ■2.機材のセット（０日目） 目星をつけて置いた設置場所に空の水槽を置き、安定を確認したら砂を敷き、 フィルターやヒーター、サーモのセンサー、流木などをセットして、水を入れます。 私は底ものを飼うので底の面積を稼ぐのと魚がやけどするのが嫌なのとで、 ヒーターを底に埋めて使っていますが、ほんとは良くないそうです(^_^;)。 せっかく敷いた砂がめちゃくちゃにならないように、小鉢などを入れてそこを めがけて水を落とすようにするといいでしょう。 とりあえず半分くらい水を入れて、まさかの水漏れとかぐらつきを一応確認 しましょう。おっけーだったら９分目くらいまで水を入れましょう。 ぎりぎりいっぱいまで水入れるのは個人的にはお勧めしません。 水がいくらか濁ると思いますが、そのうち落ちつきます。気になるようなら いくらか水を棄て、注水し直すといいかと思います。 大体において１日で濁りが取れないならフィルターの物理濾過に問題がある証拠。 注水が終わったら蛍光灯などをセットして電源を入れ、フィルターの動作を 確認します。中途半端に水を入れた状態では正常動作しないばかりか、ポンプを 壊してしまいますのでご注意。 上部フィルターでは「これ以上少ない水では動かすな」という銀のテープが吸水 パイプに巻いてあると思います。 なお、エアポンプは水面より高い位置に設置しないと、万が一のトラブルが 発生した場合、部屋が水浸しになる可能性があるそうです。 ※うちでは守られていません(^_^;) エアポンプは（特に安物は）結構耳障りな音を立てますが、これは本体の音 よりも置いた台との共振に依るものの方が大きいです。設置部にタオルのような 布を敷くか、ポンプ自体をひもで吊るすとかなり静かになります。 スポンジでくるんだりしてはいけません。熱がこもって事故の原因になります。 サーモスタット、ヒーターも設置し、通電しましょう。 水質に関する用語でも触れていますが、一般的には２６度前後にしておくと 多くの魚に対応しやすいようですが、飼う魚の生態を調べて、適応する水温に 合わせましょう。 ■3.水草のセット（１日目） まだ2.の状態では魚を入れてはいけません。この水槽のセットのために 汲み置きの水を用意したりはしてないでしょうから。 砂や水草を入れないベアタンクの場合でも１日は置いた方がいいでしょう。 エアレーション（ポンプで空気をぶくぶく吹き入れること）はやった方がいい です。塩素を抜き、酸素を水中に取り込むのに効果があります。 また、バクテリアは魚の排泄物の分解に酸素を必要としますので、この後も できればエアレーションの継続をお勧めします。 ※上部フィルターでは落水部にエアの巻き込みがあるのでエアレーションは 無くても問題ないと思います。 水草を植え込んで１〜２日水を回します。１週間も回さなくていいです。 植えるときには水流が直に当たる所は避けましょう。水草を傷めます。光が 当たるところとか魚の隠れ家とか色々考えながら植えます。 ほんとは水草の種類に応じて植え場所のセオリーみたいなものがあるんですが そこらへんは一冊本を買ってそれを読むのが最短距離です。 雑誌などで見る、わさわさと水草の茂った美しい水槽にするには、実はそれ 専用の機材が必要です。ここではそう言うのを必要としない、光と魚の排泄物 だけでガンガン育つタイプの草をお勧めします。 スタータープラントとかパイロットプラントとか言います。 これらの草を少な目に植えましょう。すぐ増えます。 ■4.パイロットフィッシュの導入（２日目〜） セット後１日以上経過してから、入れたい方は魚を入れます。 この時期に投入する魚はですね、ぶっちゃけて言いますと、「水槽内環境整備の ための切り込み隊」の役目をする事になります。バクテリア繁殖のための餌 （排泄物）を水槽内に供給するのです。 この魚は立ち上げ初期の最も危険な水質状況を乗り切らねばならないため、 水質の変化に弱い魚を入れてはいけません。 お勧めはアカヒレ、グッピーあたりでしょうか。テトラ類はこの手の役目には ちょっと水に弱い印象を持っています。エビは論外です。 ほんの２，３匹でかまいません。 飼いたいなと思っている魚で最も丈夫そうな種類を入れるか、さもなくば 近くの川や池で取ってきた小魚を入れると良いでしょう。１カ月後も元気でいて くれればそのまま飼うも良し、元いた場所に帰ってもらうのも良いと思います。 実際には、バクテリアの栄養となる老廃物が必要なので、あえて魚を入れる 必要はないのです。魚の切り身の切れっぱしでもホタテの耳でも構いません。 十分に初期の水草を入れればそれすらも不要かも知れません。 ま、この時期に魚を入れる場合は何匹かお亡くなりになってもしょうがないですよと、 そう言うことです。 この際に、すでに稼働して数カ月経った水槽があれば、底の砂（ちょっとゴミが 溜まったものであればなお良し）を少しもらってくると良いでしょう。 水槽の立ち上げが速くなります。 ■5.セット初期（３日目〜） 安い水草と安い魚が入った水槽がありますね。水は若干濁ってると思います。 朝蛍光灯を付け餌をやり、夕方は様子を見て少な目に餌をやり、消灯。 ８〜１０時間程度照らしてやります。水換えは当座しないか少な目にして様子を 伺います。 このまま、適当に飼い続けると、だんだん濁ってきた水が１週間くらいして さっと澄む時が来ます。 これが第１段階。ここまではあんまり水換えしない方がいいです。 この水が澄むのはアンモニア→亜硝酸のバクテリアが活動を開始した合図。 このバクテリアの餌の供給源としてパイロットフィッシュを入れている訳です。 このときに注意したいのが水流です。 全くないと水が悪くなりやすくなります。強すぎると魚が疲れて死んでしまいます。 水槽全体に水が緩やかに回り、魚が休める水流が弱いところがある…というのが 良い感じです。底の特定の場所にゴミが吹き溜まりになるようなレイアウトに できると、掃除が楽です。 ■6.セット中期（１０日目〜） ここからは魚の様子に注意しながら２〜３日に１／４くらい、次の週は 毎日…と、ちょっとこまめに水換えします。他の水槽の砂があれば２週間、 なければ３〜４週間、こんな調子でぼかぼか水を換えます。 亜硝酸試薬があれば立ち上げ完了が解るのですが、自分では上記の日数を 目安に少しずつ魚を増やして様子を見ます。 ■5.セット後期（１ヶ月〜） 約１カ月で立ち上げ完了です。うまく行っていれば綺麗な池のような、素朴なと 言うか土っぽい不快でない香りがかすかにする水になっているはずです。 週１回とかそれくらいに水換え頻度を下げていいのではないかと思います。 ■もう一つの考え方 どんなに細心の注意を払ってもビギナーのやることですからたかが知れています ので、こんなにマメにやらなくてもうまくいくときは行きます。 上級者の方々は雑に水槽を立ち上げることはプライドが許さないため、適当に 立ち上げたら何が起こるかを知っている人はあまり居ません。 「水槽に水入れて、次の日にネオン２０匹いれました。週１回水換えして ２週間目くらいに２、３匹死んじゃったけど、他は元気よ」ってのでも 結果オーライだと私は思うわけですが。 複数水槽のススメ ■２つ以上の水槽を 飼い始めると水槽はどんどん増えていくものですが(^_^;)、それを差し引いても 複数の水槽を持つのはオススメです。 同じように水槽を作っても、何故か水槽の水質や雰囲気には違いが出てくるもの です。何となくストレスを溜めている様な魚は、別の水槽に移してみると意外に 巧く行ったり、困ったちゃんはこっちの水槽に…というやり方が可能です。 自分は現在４つの水槽を持っていますが、この手で何度か急場をしのいだことが あります。スペースに余力があれば是非是非。 魚や水草をお迎えするときは ■魚のお迎えの仕方 買ってきた魚を水槽に入れる時には、幾つか注意が必要です。大きな所では ・ショップの水は極力入れない ・買ってきた魚に極力ダメージを与えない の２点になります。 シビアにやられる方は「トリートメント」と言うのをやります。薄目に薬剤を入れた 専用の水槽を用意して置いて、購入した魚はしばらくそこで飼って、病気などが 無いことを確認してから本水槽に入れます。うっかり入れた１匹が持ち込んだ病気で 今まで集めた魚が全滅する危険を考えると、これくらいやるのは当然の用心でしょう。 ですが、とりあえず飼いでは、比較的強靱な普及種がメインな事、養殖ものがメイン なのであまりに厄介な病気は持ってないだろう、と言うのを考えて、「温度合わせ」 「水合わせ」だけで本水槽に入れる方法を紹介します。 魚にとって影響を与えやすいのは、温度ショックと水質ショックの２点です。 これは”ショック”と言っている通り「急激な変化」がマズいわけで、逆に言えば 緩やかに馴らせば良い、と言うことになります。 ・温度合わせ 買ってきた魚は、ビニールに入れたまま、入れたい水槽に浮かべます。３０分程度。 これによってまずは水温を合わせます。 ・水合わせ シビアな魚には凄くシビアなやり方がありますが、普及種で有れば以下の水合わせで せっかく買ってきたのに次の日には死んでいた、という状況をかなりの確率で防ぐことが できます。 1.温度合わせの済んだ魚をショップの水ごとタッパーにあけます。 水は半分捨て、本水槽の水を半分加えます。このまま本水槽に浮かべて１時間置きます。 2.タッパーの水を半分捨て、本水槽の水を半分加えます。再び１時間。 3.余力があればもう一回繰り返します。 4.網で魚を掬い、タッパーの水を全部捨てて本水槽の水でざっとすすいだ後、本水槽の水で 満たします。その水で魚を軽く濯いだ後、本水槽に放ちます。 ■水草のお迎えの仕方 水草で問題になるのはスネールの混入、農薬のダメージ、採集ものでの得体の知れないものの 混入…あたりになります。 ＃コケの混入は、水草によるものばかりではないと言いますか、どの水草にも付いていて、 環境が適した状態になると増えるだけの話なので問題にしません。 特にエビ水槽において農薬混じりの草を入れるのは一発全滅の可能性を秘めていますので 細心の注意が必要です。 基本的には信用の置ける店で購入する、またはきちんと育てている人に分けて貰うのが 一番です。 購入時には水道水で良く洗い、本水槽の水に浸けて、見た範囲で怪しいものがいれば極力 取り除く、または涙を呑んで捨て、納得したものだけ導入する…と言う流れになるでしょう。 エビ水槽に導入するので有れば、飼育水を入れて水草を浸した水槽に、１匹えびを入れて 一晩様子見…が無難かと思います。 温度合わせや水合わせは不用だと思いますが、大きく水温・水質が違う場合は追って枯れるのを 覚悟した方がよいでしょう。
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